2019年10月に最低賃金が引き上げられ、東京と神奈川が初めて1000円を超え、全国加重平均が901円になった。一方で最低ラインの700円台が17県もあり、地域格差は大きくなっている。
最低賃金2019年の金額帯分布
初めて1000円を超えた東京と神奈川だが、900円台はわずかに5県のみ。政令指定都市が上位を占めているが、宮城や新潟などの地方都市の低さが目立つ。
■1000円~【2】
(1013)東京(1011)神奈川
■~999円【1】
(964)大阪
■~949円【4】
(926)埼玉、愛知(923)千葉(909)京都
■~899円【8】
(899)兵庫(885)静岡(873)三重(871)広島(866)滋賀(861)北海道(853)栃木(851)岐阜
■~849円【15】
(849)茨城(848)富山、長野(841)福岡(837)山梨、奈良(835)群馬(833)岡山(832)石川(830)新潟、和歌山(829)福井、山口(824)宮城(818)香川
■~799円【17】
(798)福島(793)徳島(790)青森、岩手、秋田、山形、鳥取、島根、愛媛、高知、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄
九州や東北などは700円台も目立ち、大都市圏の周辺でも地方は厳しい現実を感じる最低賃金の分布になった。
最低賃金の東京と地方の推移は?
最低賃金でトップの東京と、最も低い沖縄の2001年からの最低賃金の推移が比較グラフをみると、2001年は104円だった格差が、2019年には223円と倍以上開いている。
この期間で、東京だけが特別な経済変化があったのだろうか?
最低賃金の全国加重平均とは?単純平均はいくら?
2019年の最低賃金全国加重平均は901円となった。そもそも加重平均とは何か?厚生労働省の説明は下記だ。
「加重平均とは」
企業の賃上げ額を賃上げの影響を受ける常用労働者数を計算に反映させ、1人当たりの平均値を算出する方法をいう。※「単純平均」及び「加重平均」の具体的な計算方法は次のとおり。
企業A|賃上げ額:2,000円 常用労働者数:70人
企業B|賃上げ額:1,000円 常用労働者数:30人単純平均:(2,000円+1,000円)÷2企業 =1,500円
加重平均:(2,000円×70人+1,000円×30人)÷(70+30) =1,700円
人口の多い東京や神奈川が最低賃金が高いので、全体の単純平均よりも加重平均は高くなる傾向だ。ちなみに2019年の単純平均は「842円」だ。
最低賃金の2019年のポスターは?
最低賃金の周知のポスターがこの時期に貼り出されるが、2019年のポスターは松重豊さんだ。ちなみに、2018年は川栄李奈、2017年は遠藤憲一さんだった。